フルセットで3回戦突破!
先程行われた、マイアミオープン2017の3回戦。
第2シードで世界ランク4位の錦織圭が、世界ランク30位のフェルナンド・ベルダスコ(スペイン)を、7-6(7-2)、6-7(5-7)、6-1のフルセットで破り、4回戦進出を決めました。
おめでとうございます!
いや~今日の試合は正直本当に疲れました。
いつもベルダスコとはフルセットまでもつれたりすることが多い選手だということはわかっていましたが、それでもここまでグダグダな感じでもつれるとは思いませんでした。
というか両者とも本当に今日はミスが多過ぎでしたし、錦織もフィーリングが合っていなかったのか、主導権を握ったかと思えば、すぐに握り返されてしまう一進一退の攻防で、なんとも観ていてフラストレーションが溜まる試合だったなというのが正直な感想です。
なぜそこまでミスが多く、グダグダな試合展開になってしまったのでしょうか。
湿度や風の問題や、途中でベルダスコがマッサージを受ける場面を見たから調子が狂ったのか、実際のところはよくわかりませんが、錦織もしきりにラケットを変えたり、ストリングスを調整したりなど、今日はあまり感覚などが合っていなかったようですね。
それでも結果としてなんとか苦しみながらも勝てたので、とにかく良かったと思います。
特にファイナルセットで、ブレークしてからようやくいつもの錦織ペースになり、一気にギアを上げての5ゲーム連取は圧巻でしたし、随所に素晴らしいプレーもけっこうありましたので、終わりよければすべて良しということですね。
ということで、錦織は6年連続でベスト16!4回戦に進出ということになりました。
試合の振り返り
今日のマイアミは曇りですが、空を見上げると雨雲らしきグレーの雲が広がってきていて、風もあるので、試合途中に雨が降らないかなど、少々心配になる天候です。
センターコートであるスタジアムコートに、予定通りとなる日本時間の午前0時5分頃に登場した錦織圭。
コイントスにベルダスコが勝ってレシーブを選びましたので、錦織のサービスから試合がスタート。
まずは第1セット。
まずは第1ゲームで錦織がダブルフォルトを犯すも、最後は風の影響からか、ベルダスコが錦織のショットを空振りし、キープに成功。
第2ゲームはベルダスコのサービスですが、15-40となるも、ベルダスコのミスで40-40になり、最後はベルダスコのダブルフォルトで錦織がブレークに成功!
ここまでの状態を見るに、ベルダスコがいつもより調子が良くないのかミスが目立つ印象。
また、錦織もあまりフィーリングが良くないのか、しっくりきていないような様子です。
第3ゲームは錦織が40-0まで持っていくも、3本のミスで40-40に。
でもそこから錦織にギアが入り、なんとかキープに成功。
ここでようやく雲の隙間から太陽が顔を覗かせ、日差しが出てきました。
その後はお互いのキープが続きますが、迎えた第7ゲーム。
錦織が40-0でゲームポイントを握るも、そこから3連続でミスが出て、40-40。
更に2連続でミスを重ね、ついにブレークバックを許してしまいます。
第8ゲームはベルダスコが難なくキープ。
そして迎えた第9ゲーム。
錦織のミスが重なり、ベルダスコにまたもやブレークを許してしまう劣勢の展開に。
苦しい錦織ですが、ベルダスコのserving for 1st setとなる第10ゲーム。
今度はベルダスコのミスなどで、40-0となりブレークバックのチャンスが錦織に訪れます。
錦織が一気にギアが入り、素晴らしいパッシングショットが光ります。
40-40まで追いつかれるも、錦織がしっかりベルダスコのショットに食らいつき、土壇場でブレークバックに成功します。
すぐ後の第11ゲームは、ファーストサーブがしっかり入り、錦織が難なくキープに成功。
第12ゲームもベルダスコがキープに成功し、タイブレークに突入します。
錦織が素晴らしいショットなどでベルダスコを畳みかけ、7-2でタイブレークを制して第1セットを錦織が取ります。
第1セットの試合時間はジャスト1時間でした。
ここで雲が切れて青空が広がり、太陽の日差しが強くなってきました。
第1セット途中、何度かラケットのストリングを強めに依頼していたラケットが届きます。
続いて第2セット。
ベルダスコのサービスからスタート。
苦しみながらもなんとかベルダスコがキープに成功します。
第2ゲームは錦織が難なくキープ。
第2セットに入って、動きが機敏になり、ストロークも良くなってきている錦織。
迎えた第3ゲームでベルダスコにミスが出て、錦織のウィナーも決まり、錦織が先にブレークに成功!
第4ゲームは錦織が難なくキープに成功した後、ベルダスコがトレーナーを呼び腕のマッサージを受けます。
ようやくラケットのストリングのフィーリングが合ってきたのか、バックもフォアも良い感じです。
迎えた第6ゲームでは、錦織のダブルフォルトなどのミスが出て、0-40でトリプルのブレークポイントを握られるも、そこから圧巻の5ポイント連取で、サービスキープに成功。
第7ゲームでベルダスコのサービスキープ終了時、またもやベルダスコがトレーナーを呼び、別の腕をマッサージ。
第8ゲームの錦織のサービスゲームは、またもやダブルフォルトなどのミスが重なり、3度もブレークポイントを握られるも、錦織の集中したプレーが光り、苦しみながらもキープに成功します。
第9ゲームは、錦織がマッチポイントを握るも、ベルダスコがなんとかキープに成功。
そしてまたベルダスコが腕のマッサージを受けます。
そして迎えた第10ゲームが、錦織のServing for the match。
錦織がこのゲームでファーストサーブが入らず、ミスが重なり粘るも、ベルダスコにブレークバックを許してしまい、振り出しに戻ってしまいます。
第11ゲームはベルダスコが難なくキープしますが、第12ゲームも錦織がラブゲームでキープし、勝負はまたもやタイブレークへ。
タイブレークではお互いにミニブレークを奪い合う展開になり、苦戦しますが、錦織がベルダスコの強烈なフォアに屈し、5-7でタイブレークを落とし、第2セットをベルダスコに取られてしまいます。
ここまでの試合時間は2時間8分でした。
ここでベルダスコがトイレットブレーク。
空は完全に青空が広がっています。
勝負のファイナルセット。
錦織のサービスでスタートします。
第1ゲームは難なく錦織がサービスキープ。
第2ゲームは、ダブルでのブレークポイントを握りながらも決めきれない錦織。
結局ベルダスコがキープ。
錦織のプレーが雑になり、疲労の色が伺えます。
その後の第3ゲームは、40-0から追いつかれ、40-40から更にブレークポイントを握られるも、なんとかキープに成功。
ここで錦織が新しいソックスに履き替えます。
迎えた第4ゲームは、またもやベルダスコのミスが響き40-0になるも、なんとか40-40に追いつくベルダスコでしたが、結局最後はベルダスコのダブルフォルトでブレークに成功します。
このブレークで錦織のリズムが良くなり、第5ゲームを難なくキープ。
そして迎えた第6ゲームで、またもやベルダスコのミスとダブルフォルトで、錦織がまたもやブレークに成功!
第7ゲームもしっかりキープした結果、錦織が7-6(7-2)、7-6(5-7)、6-1のフルセットで辛くも3回戦を突破しました。
トータル試合時間は2時間44分でした。
お疲れ様でした。
ファーストサーブはどうだった?
錦織自身も課題として挙げているファーストサーブですが、
今回の調子はどうだったのでしょうか?
スタッツを見ると、3セット平均で63%ということで、
初戦と同じでまずまずという感じでした。
ファーストサーブが入った時のポイント獲得率は73%、セカンドサーブのポイント獲得率は47%ということで、ベルダスコとほぼ互角な感じでしたが、やはりセカンドサービスは良くなかったですね。
ただ今日は何といっても、アンフォーストエラー、いわゆる凡ミスが48本とかなり多く、余計なミスもかなりありましたから、それが今後の修正点であり、課題になりそうですね。
一方のベルダスコも今日はかなりミスが多かったです。
ダブルフォルトも7本ありましたし、途中で腕のマッサージを何度も受ける場面もありました。
かなり疲労が溜まっているのかなという印象でした。
とにかくまずはフルセットだろうとなんだろうと、今日は錦織が勝てて良かったです。
特にファイナルセットは、圧巻の5ゲーム連取でしたね。
ファイナルセットのような感じで4回戦も頑張って欲しいなと思います。
錦織の試合後のコメントとは
錦織の試合後のコメントが入ってきました。
「接戦になることはわかっていたので、なるべく我慢してやっていましたが、2セット共リードしながら逆転される場面が多かったので難しい展開でした。
やはりスピンの量がとてもあるので、特にフォアハンドがアングルだったり、高いボールをうまく混ぜてくる選手なので、大事なポイントは上手く打ってきたり、フラットでも打ってこれる選手なので、色んな球種を混ぜられたのが難しかったですね。」
とのことでした。
技術的に回転量の多いスピン系のボールや、色々な球種のボールをベルダスコに混ぜられたということでしょうか。
でも私はそれ以外にも、今日はあまり錦織自身のコンディション自体も良くはなかったように感じました。
それこそ感覚的な問題なんでしょうけど、まぁそういう日もあると思います。
ただそんな調子が上がらない時でも、なんとか試合の中で修正し、勝ちに収支を合わせられる選手がやはりトップ選手だと思いますので、そういう意味ではまさに今日の錦織は、総合力で勝てたと言ってもいいと思います。
もちろん優勝を目指している錦織ですから、こんなところで敗けるわけにはいきません。
次戦も気を引き締めて頑張って欲しいですね。
次戦(4回戦)の対戦相手と試合日時は?
錦織の次戦となる4回戦は、世界ランク57位のF・デルボニス(アルゼンチン)と対戦する予定です。
試合日時は、中1日で明後日の試合になると思いますが、現時点で詳細時間はまだ未発表です。
詳細が決まり次第追記します。
追記:錦織圭の4回戦の試合日時が決定!
日本時間3月29日午前0時より試合開始予定です。
コメント
世界第4位とはいえ今の試合内容はラリーでのリターンのイージミスや相手の強いサーブやショットに対応出来ていない。以前から同じで進歩がない。こんなことではマスタース1000での優勝は無理で下位の選手に取りこぼす。このままでは情けないけどテニス人生は優勝無しで終わりだろう。
体格やパワーには明らかに劣る日本人がATPランキングで一桁を維持することがどのくらい凄いことか、大変なことか、私を含めてファンはときどき忘れてしまうわけですよね。ファンの期待の大きさを物語っています。しかし、若いと思っていた錦織君もすでに27歳、客観的に判断すれば彼の力のピークは恐らく来年、長く見ても再来年のシーズン以降は落ちていくと思われます。もう時間はそれほど残されていないのかも知れない。なんとか今シーズン中にグランドスラム初制覇を果たしてほしいと、祈るばかりです。
コメントありがとうございます。
確かにそうかもしれませんね。
彼がどこまで勝ち続けられるのかはわかりませんが、我々は応援することしかできませんので、これからも変わらず応援していきましょう。
コメントありがとうございます。
本当におっしゃる通り、ピークが来てしまうであろう近い将来までに、悲願のグランドスラム達成をできれば今年中に成し遂げて欲しいですね。
でもその前に、まずはマスターズ1000での優勝、更に言えばそれをこのマイアミで達成して欲しいと願っています。
見ない予定の試合でしたが、0時からという事で観てしまいました。
おかげで昨日は眠いのなんの・・・
1セット目の後半から劣勢で、2セット目を取られて今大会もここまでか?と思ってしまいました。
しかし、キツイのは相手も同じだったようですね。
3セット目は見事な集中力でモノにできました。
かなりキツイコメントも付いていますね。
私は色々なスポーツをみて、体格差で負けてしまうのを見るとがっかりしてしまうのです。
男子バレーボールなどは、パワーと高さに翻弄されっぱなしです。
格闘技も好きなんですが、かつてのK-1は大きな選手ばかりの活躍でつまらなくなってしまいました。
では現在の新生K-1はと言えば、細かいウェート階級で体格差は感じられません。
しかしですよ、私が本当に見たいのは体格差があっても技術やスピード、あるいは勝負勘などで不利をものともせずに勝利する姿。
では、テニスではどうでしょうか。
私が錦織選手のプレーが好きなのは、ビッグサーバーやもの凄いショットを打つ選手に対し、耐え忍びながらもラリーに持ち込み、わずかなチャンスをモノにして逆転し、ポイントを取るその姿なのであります。
野球の山田哲人選手のように、パワーは無くてもホームラン王は獲れる。
そんなスポーツの神髄を錦織選手に期待してしまいます。
目指せ、マスターズ勝利、四大勝利、そしてランキング1位!
私たちの期待などプレッシャーに感じず、力に変えて欲しい。
そんな気持ちで応援しております。
今日たまたま、マイアミ1000、フェデラーvsデルポトロの試合観ました。
35歳、ピークを超えたはずのフェデラーですが、試合の進め方が相変わらず多彩。ミスが少ないのです。
錦織と比べるまでもないですが、正直、ものが違うと想ってしまいます。
最近の錦織、凡ミスが山のように多い感じです。何なんでしょう?
体躯や技術は別にして、ガッツも、生きる知恵も足りない印象です。
日本人として世界の檜舞台でトップテン入りした選手は稀有ですが、個人的にはマイケル・チャンの領域まで期待したかった。
今一度、自分をしっかりと見つめ直し、誰にも間違いなくやって来る落日のその日まで、乾坤一擲、励んで欲しい。
招き猫さんこんにちは。
いつもありがとうございます。
結局試合はリアルタイムで観られたとのこと、それは頑張りましたね。
翌日仕事がある日の深夜観戦は、けっこう辛いものがありますよね。(^_^;)
おっしゃる通り、体格差で結果が変わってきてしまうスポーツは、とても残念な結果になることが実際にありますね。
よくわかります。
特にバレーボールやバスケットボール、アメフトとかK1とかもそうかも知れませんが、なんか少しハンデをつけてくれないかと言いたくなる時ありますよね。
でもなんでもそうですが、どんな場合でもメリット・デメリットは表裏一体のような気がしています。
体格が大きくてもメリット・デメリットは必ずあるはずですし、もちろんその逆もしかり。
仰って頂いた通り、テニスの場合は178cmの比較的小さい錦織選手が、2m超えの大きい選手(カルロビッチやイスナーなど)を相手に、どんな戦いをすれば勝てるのかという戦術を常に考え、メンタルやフィジカルを鍛えていくしかないんですよね。
でもそれを今までやってきたからこそ、今の世界ランキング4位という地位まで登り詰めることができたわけですから、更に上に行くことだって本人が望めばいけないことはないはず!と私は思っています。
ただ、その本人が望めばというところが鍵でして、それはもちろん本人が望んでも、心のどこかで無意識に否定的な自分がいたり、できないかもしれないという弱気心が邪魔をする場合もあると思います。
そうなると、実現は厳しくなってしまう可能性もありますよね。
野村克也氏の『勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし』という名言を言っていましたが、本当にそうだと思います。
偶然勝ってしまった、奇跡が起きた、すごいウィナーが決まったということはあると思います。
でも負けには必ず原因があるんですよね。
錦織選手の活躍は、心技体とちょっとの運で決まるのかなと思っています。
まずはマイアミで優勝して欲しいですね。
コメントありがとうございます。
私もフェデラーVSデルポトロ戦観ました。
フェデラーは現在35歳、しかも休養明けの今年、なぜこんなにも絶好調なんでしょう。
やはり生きる伝説はテニスの神様に選ばれし選手なんでしょうか。
マレーやジョコビッチ、ナダルとは違うプレー、言うなればフェデラーはなんとなく芸術的なプレーなんですよね。
スマートが爽やかとでもいいますか、とにかくかっこいいなと毎回思います。
デルポトロも今シーズンに入ってからは、あまり調子がよくないのか、今日の試合も今一つだったなという印象でした。
さて錦織は、BIG4の中でフェデラーが一番好きだと公言していましたし、一番プレースタイルが近いのかなと思っています。
よく松岡修造氏が、圭の実力は世界NO.1!と言っていますが、ポテンシャルとしては、フェデラーよりも天才肌の嗅覚は持っているのではないかと思うのです。
でも、それが今一つ発揮できていないのはいったいなぜなのでしょう。
仰る通り、マイケルチャンは175㎝で錦織より小柄の選手ですが、全仏で最年少優勝を始め、4大大会準優勝3回、マスターズでも優勝7回もしている選手です。
正直錦織はそのうち、全米での準優勝1回だけという足元にも及ばない実績しかまだ出せていないという現実。
この差はいったいなんなんでしょう。
私は間違いなく錦織自身の心の問題、いわゆるメンタル的な問題だと思っています。
だってもう技術力では、マレーやジョコに互角の実力は十分ありますからね。
あとは錦織自身が、自分はグランドスラムやマスターズで優勝できる!と心の底から確信できる境地になることができれば、間違いなくすぐにでも優勝できると思っています。
2014年全米で勝ち進んだ時、インタビューで『勝てない相手はもういない』という名言が出たあの境地です。
その後あれ程の強気発言は本人から出ていませんよね。
マイケルチャンはいつも強気な選手です。
なんとしても絶対勝つ!という気持ちで試合に入る選手です。
だから負けないのだと思います。
日本人は謙虚ですから、それが却って裏目に出ているのではないかと思います。
ですから錦織から、またそういった強気なビッグマウス発言が出るようになってくれないかなと思っています。
とにかくまずはマイアミで優勝して欲しいですね。
最高のコメントありがとうございます。
今云いたいことのすべてがつまっていました。
お互い、今後の錦織の動静・活躍を、
静かに、だが煮えたぎる想いで見守りましょう!