錦織圭の現在地
錦織は3月にマイアミオープンで痛めた右手首のケガにより、先月のバルセロナを欠場し、今月に入ってマドリード、ローマ、そして先週はジュネーブと、3週連続で試合に出続け、27日にローランギャロスに乗り込んできました。
そして昨日から開幕した全仏オープンで、今月は4週連続となる試合に出場するということになります。
同じヨーロッパ圏内の試合ではあるにせよ、毎週の試合に4週連続で出続けるというのは、やはり心身共にかなりの負担になっているのではないでしょうか。
それだけのハードスケジュールにも関わらず、右手首もまだ100%万全ではないという現在、これから2週間5セットマッチ3セット先取で行われるローランギャロスでの試合で、果たして錦織は思うような結果を残すことができるのでしょうか。
やはり錦織は、日本の宝であり、日本テニス界のスーパースター的存在です。
当然ですが無理はして欲しくないという一方で、出場するからには勝ち続けて欲しい、出来ればグランドスラムで悲願の優勝を!と思ってしまうのもファンであればしごく当然なことなのかも知れません。
ただ今シーズンの錦織は、残念ながら前半戦は不本意な成績が続いてしまっているのもまた事実でして、そういったことから鑑みて、今年の全仏オープンでの錦織の勝ち目はどの程度あるのかについて考えてみました。
全仏OP大会展望
グランドスラムで優勝するということは、本人の実力(心技体)以外にも、ドローの運というのも少なからず存在します。
まず錦織の初戦となる1回戦は、ランク外のコキナキスとの対戦が既に決まっていますが、その後錦織が順調に勝ち進んだ場合、錦織のドロー山を見ていくと、3回戦でクエリー、4回戦でズべレフ弟、準々決勝でマレーとの対戦が予想されます。
※nikkansportsより出典
錦織の山のドローを見ていくと、3回戦のクエリーまでは見えますが、恐らく4回戦のズべレフ弟のところが、一つの正念場になりそうだなと思います。
まだズべレフ弟と錦織は対戦したことはないですが、先々週のローママスターズで、若干20歳ながら、まだ錦織も達成していないマスターズで優勝してしまったのですから、それは脅威な存在と思ってまず間違いないでしょう。
ズべレフ弟はローママスターズで優勝したことで、世界ランキングも大きくジャンプアップし、先週の世界ランキングで初のトップ10に浮上しています。
今かなりノリに乗って勢いと自信に満ち溢れているかと思いますし、番狂わせなどが起こらない限り、間違いなくズべレフが4回戦まで勝ち上がってくるでしょうから、ここでどう転ぶかということになりそうですね。
そしてズべレフに勝つことができれば、世界ランク1位のマレーが待っているわけです。
今シーズンのマレーは、このところずっと不調が続いていますし、今大会でもどうなるのかちょっとわからないというのが正直なところなのですが、それでも普通に考えれば、世界1位で第1シードなのですから、準々決勝までは少なくとも勝ち上がってくると考えるのが自然だと思います。
そしてそのマレーを破ることが出来れば、準決勝でワウリンカ、決勝でナダルあたりが待ち構えているということになるのだと思いますが、特にナダルはフェデラーと共に、今シーズン絶好調で、クレーといえばナダルというくらい、赤土の王者という代名詞がよく似合う強いナダル。
その王者ナダルと錦織の決勝を是非今シーズン見てみたいです。
見どころと勝つためのターニングポイント
個人的な意見ですが、まず第一関門は4回戦のズべレフ弟を敗れるかどうかが今大会のターニングポイントになるのではないかと思います。
このズべレフ弟を破ることができれば、兄とは違いますが兄弟なので、ジュネーブオープンの屈辱を少しだけ果たしたような気持ちにもなるかもしれないですし、少し自信がなくなっていた自分を大きくモチベートすることに繋がるのではないかと思うのです。
個人的にはここが大きな見どころになるのではないかと。
そしてもしもここで敗けてしまうのであれば、錦織の自信もかなり失われてしまうのかなと、あまり考えたくはないですが、そう思ってしまいます。
ですから、なんとしてもズべレフ弟は倒して欲しいですね。
追記:なんとズべレフ弟は、ベルダスコに3-1で初戦で敗退してしまいました。
ちなみにズべレフ兄も初戦敗退です。
ってことで、ベルダスコが第一関門かな・・・(^_^;)
記者会見で語ったこととは?
錦織がローランギャロス入りしてから記者会見を行ったようで、錦織の語ったことをまとめてみました。
「気持ちの高ぶりもある。
やりやすいクレー(コートでも)なので、頑張りたい。
体はほぼ問題ないです。テニスも試合をできたおかげで、リズムが戻ってきたり、いい感覚をつかみ始めている。
あまり変わらない。去年も自信をもってのぞめたが、クレーでは去年も一昨年も結果が出ているので、ポジティブな気持ちには変わりない。
基本的に自分が成長することが大事。
あまり周りの結果やテニスに影響されないように意識している。
ただ、ズベレフの(マスターズ大会)優勝にびっくりした。
少し自信がないのかも。ただ、自分がダメになったわけじゃないし、テニスの調子も最高ではないが悪くない。気持ちの問題が大きいと思う。
どうしても勝てないと、自信がなくなってくる。
(2月の南米戦は)ポイントを取りにいった2大会だった。
そこで、思ったような結果が出なかった。
選択を間違えたとは思ってないが、そこで、少し自信が揺らいできた。
一番明らかなのは、打たなくてはいけないときに打てない。
100%入れるぞという気持ちを持って打てない。
試合の中での大事なポイントで守りに入ってしまったり。
(ラケットを)振り切れない。
そういう点は、自信があるかないかで大きく変わってくる。
試合に勝つことが一番の自信になる。もちろん、(ジュネーブで)優勝できれば良かったが、3試合、十分な試合経験が積めた。
体も思った以上に疲れていないので、全仏にいい準備になったので爆発したい。
(ランキングは)やっぱり8位以内にはいたい。8と9では大きな違い。
8位以内なら安心できるが、8位を外れると、4大大会やマスターズで(シード順から)めんどくさいことになる。
8位以内に入っておきたいというモチベーションは大きい。
そのためにも全仏で頑張りたい。」
やはり2月の南米2大会は、錦織の中でもけっこう自信喪失の原因になってたんだなと思いました。
確かにリオでは初戦敗退でしたから、あれは痛かったですよね。
ただやはり南米のクレーとヨーロッパでのクレーは、サーフェスやボールなどの環境は全然違うのだと思いますし、ここ数年はこのヨーロッパクレーでの勝率は一番良いわけですし、間違いなく自信を持って戦ってもいいと思うんですよね。
手首の不安は多少あるにせよ、本人曰く体は全く問題ないのであれば、長丁場且つラリー戦の多くなるクレーではありますが、良いところまで勝ち進めていいけるのではないかと期待しています。
もちろん目指すは全仏初制覇ですが、とにかく一戦必勝で、自分の得意なカタチを意識しつつ、錦織の攻撃的プレーと多彩なショットを武器に挑んでいけば、自己ベストとなるベスト8以上はいけるのではないでしょうか。
現在非常に危ういランキング9位という位置にいる錦織ですが、8位以内をキープしたいという強いモチベーションもあるようですから、本当にこの全仏では頑張って欲しいですね。
とにもかくにも、もう既に全仏は始まっています。
まずはメンタルを整えて、受けられる助言はマイケルチャンコーチにすべて受けて、
あとはもうやるしかないですから、頂点目指して全力で戦って欲しいと思います。
錦織がこの赤土コートで大いに躍動する姿を想像しながら、今回も全力で応援していきたいと思います。
頑張れ、錦織圭!!
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