悔しい敗戦のその先へ
錦織圭のBNLイタリア国際、準々決勝が深夜に行われました。
相手は現在11連敗中のノバク・ジョコビッチとの対戦。
今度こそ絶対に!という強く熱い思いを胸に、意気揚々と試合に挑んでいった錦織でしたが、結果、フルセットまでもつれるも最後は力尽き、悔しい12連敗を喫してしまいました。
今回の敗戦は錦織にとっては、いつも以上に悔しい敗戦になったのでは?と想像します。
なぜなら、第1セットをあれだけの攻めで2ゲームアップし、6-2という圧倒的スコアで先取していましたから、今日こそはジョコビッチに勝てるという手応えを感じていたからだと思います。
それは観ている我々も同じように感じていましたから、錦織の悔しい気持ちはよくわかります。
ましてやローマ入りしてからの3試合で、錦織は確実に手応えと自信を更に深めていたからに他なりません。
だからこそ、第1セットで自信に裏付けされたようなあのような素晴らしいプレーが出たのだと思います。
ただそれも長く続かなかったのは、相手が百戦錬磨のジョコビッチだったからですね。
やはり頭脳派のジョコビッチですから、色んな策を練って、あの手この手で仕掛けてくるわけですよ。
要は一筋縄ではいかない選手なんですよね。
それになぜかジョコビッチは錦織と対戦すると、異様な集中力で挑んでくるので、今日は勝てる!と思った試合でも、最後の最後まで100%の集中力で挑まないと何を仕掛けてくるかわからないので、本当に大変なんですよね。
で、案の定第2セットで仕掛けられ、ファイナルセットでも驚異の集中力とカバーリング力、そして観客まで味方につける独自のパフォーマンスで錦織を追い込み、掴みかけていた錦織の久々の勝利を、見事にジョコビッチがかっさらってしまったのです。
錦織はこの敗戦を受け、何か気づいたこと、学んだことなどはあったのでしょうか。
それぞれのコメントをまとめてみました。
錦織の試合後のコメントとは
まずは錦織のコメントをまとめてみました。
「第1セットは最高のテニスができたと思う。
攻撃的なプレーだった。
(でもその良い流れを)なかなかキープできなかった。
(第2セットは)相手もプレーを変えてきたり、良くなってきた。
ストローク戦でかなり振られ始めた。
ファイナルセットは接戦で、彼の方が少し自分よりいいプレーをしたと思う。
チャンスはあった。
確実に勝てた試合だったのに、もったいない。
でもなかなか大事なポイントを取りきることができなかった。
思い切り攻めて、ポイントを取るか取られるかでも、よかったかもしれないが、特に正解はない。
今日の負けはこたえる。
でもプレー自体は悪くはない。
(不可解な判定もあり)審判に流れを変えられた部分もあった。
あの審判はたぶん、やめた方がいい。
審判に流れを変えられた部分もあった。
まだメンタルの弱さというか、最後まで踏ん張りきれなかった。
とのことでした。
う~む、なるほど。。。
錦織としてはそういう見解だったのですね。
まぁ確かに観たまんま、概ね我々と同じような感想の部分もありますが、やはりあの審判の件は後々まで響いたのですね。
あの時VTRでリプレイした時に、ジョコビッチのサービスはアウトだったんですよね。
それを審判はしっかりアウトだと言っていたのに、ジョコビッチはインと主張。
グダグダ言っているジョコビッチと、それを諫めている審判とのやり取りの中で、しまいには審判が別のマークを指さし、ジョコビッチはそれではないと怒り心頭、錦織がそのやり取りに業を煮やし、もうインでいいよとあの時錦織が譲ってしまったんですよね。
まぁその直後にジョコビッチにブレークされた時は、まさかそれで流れが変わってしまったのか???と思いましたが、その後すぐにブレークバックは出来たので、とりあえず事なきは得たので良かったですが、正直ブレークできなかったら危なかったと思います。
でもその後の、第6ゲームのジョコビッチのサービスゲームで40-40まで追いついて、ブレークのチャンスがあったので、そこで錦織がミスせずに先にブレークできてたらなというのが個人的に惜しかったなと思ったポイントでしたね。
この時もジョコビッチは、大声で吠えまくり威嚇し、観客の注目を浴び、そのパフォーマンスで流れを引き戻していましたからね。
それもジョコビッチの戦略なのかもしれませんが。
第8ゲームでも最後のブレークバックのチャンスがありましたが、そこでも錦織がポイントを取り切れず、結果ゲームオーバーになってしまったわけで、とても残念でした。
きっと錦織はこの敗戦で、もちろんショックはあると思いますが、学んだことも色々あったと思います。
それを次回必ず活かせるように頑張って欲しいですね。
ジョコビッチの試合後のコメントとは
ジョコビッチのコメントまとめです。
「今日のテニスの質はとても高かった。
第1セットの圭(錦織)はとんでもない素晴らしいテニスをしていた。
圭はとても速くて時間を与えてくれない。
だからこそ、それに反応するために、こっちも高い集中力が出てくる。
僕らのプレーはよく似ているから。
いたちごっこなんだよ。
彼のペースに対応するのに少し時間がかかってしまった。
最終セットは6-3で自分の流れだったが、彼(錦織)の流れになってもおかしくなかった。
ファイナルセットの終盤はよく戦ったし、劣勢から立ち直れることを示せた。
ラリーでは押されていたが何とかセーブできた。
あそこを乗り切れたのはラッキー。
ブレークされていたらどんな結果になっていたか分からない。
精神的に最後まで強くいられたことに、本当に満足している。
この勝利は大きな意味を持つ」
とのことでした。
ジョコビッチは、錦織とプレースタイルが似ていると思っていたのですね。
確かにある意味では2人とも似ているところはあるのかも知れませんが、それに付随してジョコビッチは、錦織と対戦すると高い集中力を発揮して追い込んでくるので、そういう意味では、今回とても見ごたえのある、非常に内容の濃い試合が観れたのかなと思いました。
まぁ間違いなく、世界ランク18位と24位の試合ではなかったですよね。
明らかにトップ10はおろか、トップ5のハイクオリティーと言ってもいい内容の試合を観たような気がしました。
もしかしたら、この試合をきっかけにジョコビッチも復活してくるかもしれませんね。
2017年1月の全豪オープン4回戦で錦織が戦った、復活明けのロジャー・フェデラーも、錦織にフルセットで勝ったその試合を、後々あの試合が復活のターニングポイントになったと周りに話していましたから、もしかしたらジョコビッチもそうなる可能性があるかも知れません。
もちろんそれはそれで喜ばしいことですが、錦織と試合をすると、相手を本気にさせてしまうようなところがあるのですね。
それならそれで凄く興味深い話ではありますが、できれば相手の復活を助けるだけでなく自分の復活もという感じですね。
いつか必ずリベンジを!
今回の敗戦で、対ジョコビッチ戦は12連敗になってしまったわけですが、それでもいつか必ずジョコビッチにリベンジできる日は必ず来ると信じています。
その日がいつ来るのか、もしかしたら次の全仏で来るのか、それはまだわかりませんが、いつか来るその日のために、錦織としては確実に自分のプレーレベルと、メンタルレベルを今よりも上げておく必要があると思います。
もちろん今のプレーレベルでも勝てるはずなのですが、錦織自身ができるだけ100%に近い強い気持ちで、ジョコビッチに勝てるという確信を持って試合に臨んで欲しいからです。
とはいえ、今までジョコビッチに一度も勝ったことがないわけではなく、4年前の全米オープンではしっかり勝てているわけでから、本当に自分の気持ちの持って生き方次第なのではないかと思うんですよね。
ですからいつか来るその日のために、自分のレベルを少しでも上げ、ジョコビッチにまた挑戦して、今度こそ絶対に勝てるようにまた今日から頑張って欲しいと思います。
最後に全仏オープンに向けて、錦織はこんなふうに語っていました。
「復帰して初めての5セットマッチ。
難しい部分はあるかもしれないが、久しぶりのグランドスラム大会なので、気持ちも自然と高まってくる。
いい結果を出したい」
モンテカルロで準優勝、ローマでもベスト8まで勝ち上がれたのですから、もう大丈夫だと思います。
全仏・ローランギャロスの大舞台で、大いに躍動し、良い意味で大波乱を巻き起こす存在として大いに頑張って欲しいなと思います。
頑張れ、錦織圭!!
コメント
あれはジョコビッチの粘りに負けてポイントを譲った訳ではなくて、ベルナルデスもアウトと言ってはいるんだけど指してるボールマークが違うところでもう呆れて相手するのもめんどくさくなったらしいです。
直前の判定も含めて呆れていたのでしょう
かいさん、ありがとうございます。
そういえば指しているマークが違うって確か言ってましたね。それで更にジョコの怒りを買っていましたよね。失礼しました。
しかし、あのベルナンデスという審判、けっこうやらかしてるわりに、ヘラヘラもしているし、評判は確かに悪いというのも前から言われてますから、今後あの審判も淘汰されていくかもしれませんね。