フルセットの逆転で初戦突破!
先程行われた、全豪オープン1回戦。
今大会第8シードで世界ランク9位の錦織圭が、世界ランク176位のカミル・マイクシャク(ポーランド)を、3‐6、6‐7(6‐8)、6-0、6-2、3-0のフルセットの相手の途中棄権で初戦を突破し、2回戦進出を決めました!
おめでとうございます。
ヨッシャー!!
今日は本当に何とも言えない戦いでした。
結果的に勝てて良かったのですが、結局最後はマイクシャクの途中棄権で幕が閉じましたので、なんとなく手放しでは喜べない試合になってしまいました。
錦織も勝利後の笑顔はなかったです。
ただ、それでもしっかり2回戦に進出出来たことは良かったですよね。
気持ちを切り替え、次の試合も頑張って欲しいと思います。
2セットダウンからまさかの幸運?
今日の錦織は決して調子が悪かったわけではないんですよね。
ただ最初からいつも以上に飛ばしていたのが気になりましたし、それがちょっと空回りしているようにも見受けられました。
というのも、再三のブレークチャンスをモノにすることが出来ず、そこから流れが変わってしまったように感じたからです。
一方の対戦相手のマイクシャクですが、世界ランク176位ながら、素晴らしいプレーの連続で、完全にゾーンに入っていたのではないかと思います。
それこそどこに打ってもボールが入るので、錦織もタジタジ。
逆にチャレンジャーであるマイクシャクの勢いに完全に飲まれてしまっていたように思います。
それでも第2セットの第10ゲームで、錦織がブレークバックした時は、これで波に乗れるか?と興奮しましたが、結局タイブレークにもつれ込んでしまいます。
タイブレークでの勝率が高い錦織でしたので、恐らく大丈夫だろうと祈るような気持ちで観ていたのですが、マッチポイントを取り切れずに逆転され、第2セットまで落としてしまった時には、正直絶望的な気持ちになりました。
錦織もショックでベンチでうなだれていましたよね。
それがどうしたことか、まさかまさかの展開がここから待ち受けていました。
第2セット終了後にトイレットブレークを取って戻ってきてから、マイクシャクの体に異変が生じ始めます。
第3セットの第3ゲームで、右手と左太ももや足が攣り、けいれんを起こして、思うように動かずコントロールが出来なくなってしまったのです。
暑いコートから、トイレのある涼しいバックオフィスに戻ったことで、その温度差が影響したのか、それともオーバーペースでの試合展開、ペース配分が出来ていなかったからなのか。
初めてのグランドスラムで、しかも初めてトップ10の選手との対戦で、恐らく100%以上の力を出してしまったことで、体が悲鳴を上げ、想像以上の負担が来てしまったように感じました。
それでも第4セット中盤辺りから、マイクシャクもポイントが取れるようになってきて、力強いショットも打てるようになってきていました。
途中から右足にもキテいたようで、引きずる場面も見られましたので、相当厳しかったようですが、それでも棄権せずにファイナルセットまで時間を稼ぎ、なんとかファイナルで勝ちたかったのでしょう。
でも結果的に回復できず、ファイナルセットで3‐0と錦織に2ゲームアップされたところで、途中棄権を申し出たマイクシャク。
これで錦織の2回戦進出が決定しました。
ある意味ではラッキーでしたが、幸運も実力の内です。
マイクシャクはコートの去り際、泣いていたように見えました。
それはそうですよね。
初めてのグランドスラムで、トップ10選手を追い詰め、2セットアップで完全に勝っていたのですから。
あのままマイクシャクの体に異変がない状態で、第3セットを迎えていたら、どうなっていたのでしょうか。
もちろん錦織がセットを取り返して、結果的にファイナルセットで逆転劇を見せていたに違いないと、そう思いたいですが、実際のところはわかりません。
それでも私は敢えて言いますが、どんなカタチであっても勝ちは勝ちです。
長丁場のグランドスラムは、ペース配分や日頃からのトレーニング、ケアも大事です。
真夏のオーストラリア、湿度で蒸し暑いことなど、想定して試合に入ってこなければ、5セットマッチを戦い抜くことは出来ないのです。
そういう意味でも、マイクシャクはグランドスラムの洗礼を受けたのだと思います。
それでも世界176位とは思えないプレーで、ここまで錦織を惑わせたことは、本当に素晴らしかったと思いますし、この試合を機に、トップ100位以内には必ず入ってくるような選手になるのではと思います。
まだ23歳と若いので、頑張って欲しいですね。
錦織は、今日のプレーで見つけた反省を次戦以降に活かしつつ、次こそは錦織の素晴らしいパフォーマンスでスッキリと勝って欲しいなと思います。
試合の振り返り
現地時間で午前11時過ぎ。
メルボルンは快晴、気温は29度。
朝から日差しが暑そうです。
今日のメルボルンの予想最高気温は35度まで上がる予定だとか。
予定通り日本時間の午前9時02分に、白いキャップ、オレンジ、茶、緑のウェアで錦織圭が入場してきました。
コイントスに錦織が勝って、レシーブを選びました。
ウォームアップ後、試合がスタート。
マイクシャクのサービスから試合がスタートします。
まずは第1セット。
第1ゲームは、錦織がかなり強めのショットで攻め40‐30とブレークポイントを握るも、40-40に戻され、結局マイクシャクがキープ。
第2ゲームは、錦織のミスショットがあるも、好調のフォアのウィナーなどストロークで攻めてキープ。
第3ゲームは、マイクシャクのサービスポイントやストロークで攻めてラブゲームキープ!
第4ゲームでは、錦織のダブルフォルトや、マイクシャクのバックウィナーがあるも、錦織のバックのダウンザラインが決まってキープ。
第5ゲームは、マイクシャクのダブルフォルトや、錦織のネットプレーやウィナーが決まり40‐15と2本のブレークポイントが来ます。
錦織のミスなどで2本戻され40‐40に。
マイクシャクがストロークで攻めてキープ。
第6ゲームは、マイクシャクの連続バックウィナー、錦織のミスショットで0‐40と3本のブレークポイントを与え、一気にラブゲームでマイクシャクにブレークされます。
第7ゲームは、錦織のウィナーやマイクシャクのミスがあるも、マイクシャクのバックウィナーなど、サービスやストロークで攻めてキープ。
NEWボールになります。
第8ゲームは、錦織のミスショットがあるも、サービスポイントやストロークで攻めてキープ。
第9ゲームは、マイクシャクのServing for 1stset.
マイクシャクがストロークで攻めて難なくキープ。
第1セットは3‐6でマイクシャクが先取しました。
ここまでの試合時間は35分でした。
ここで錦織はウェアを着替えます。
気温は30度まで上がり、湿度も57%とかなり蒸し暑くもなっているようです。
続いて第2セット。
錦織のサービスからゲームがスタート。
第1ゲームは、錦織のミスやマイクシャクのリターンエースなどで15‐40と2本のブレークポイントを与えてしまいます。
そこからロングラリーを制すなど2本戻して40‐40に。
サービスポイントやドロップショットなどでキープ。
第2ゲームでは、マイクシャクのミスがあるも、サービスポイントやストロークで攻めてキープ。
第3ゲームでは、錦織のフォアのウィナーなどストロークで攻めて難なくキープ。
第4ゲームは、マイクシャクのミスもあり錦織のフォアのウィナーなどで40‐40まで追いつくも、マイクシャクのサービスポイントでキープ。
第5ゲームは、マイクシャクのリターンエースがあるも、錦織のサービスポイントやストロークで攻めて難なくキープ。
第6ゲームは、マイクシャクのミスなどで40‐15と2本のブレークポイントが来るも、サービスなどで2本戻され40‐40に。
サービスポイントなどでマイクシャクがキープ。
第7ゲームは、マイクシャクのウィナーや錦織のミスなどで0‐40と3本のブレークポイントを与えてしまいます。
そこから錦織のウィナーやサービスポイントで2本戻すも、最後はマイクシャクにリターンエースを決められブレークされます。
第8ゲームは、マイクシャクのサービスポイントやストロークで攻めて難なくキープ。
第9ゲームは、マイクシャクのリターンエースが決まるも、錦織のサービスポイントやウィナーで難なくキープ。
第10ゲームは、 マイクシャクのServing for 2ndset.
マイクシャクの連続ミスなどで40‐0と3本のブレークポイントが来て、一気にラブゲームでブレーク!
錦織も思わずカモーンの雄叫び!
第11ゲームは、錦織のサービスポイントやサーブ&ボレーなどで難なくキープ。
第12ゲームは、錦織のミスショットがあるもリターンエースなどで40‐40に追いつきます。
錦織のミスやマイクシャクのサービスエースでキープ。
ここからタイブレークに入ります。
・錦織のサービスポイントで、1‐0
・マイクシャクのサービスエースで、1‐1
・マイクシャクのサービスエースで、1‐2
・錦織のショットがネットにかかりミニブレークされ、1‐3
・マイクシャクのウィナーで2度目のミニブレークで、1‐4
・マイクシャクのボールがネットにかかってミニブレークバックで、2‐4
・マイクシャクのボールがアウトでミニブレークバックで、3‐4
・マイクシャクのボールがロングで、4‐4でイーブンに。
・錦織のサービスポイントで、5‐4
・マイクシャクのサービスエースで、5‐5
・マイクシャクのダブルフォルトでミニブレーク、6‐5錦織のセットポイント
・錦織のショットがロングでミニブレークバックされ、6‐6
・錦織のミスショットでミニブレークされ、6‐7でマイクシャクにセットポイント
・錦織のボールがネットでミニブレークされ、6‐8
第2セットも6‐7(6‐8)でマイクシャクが制しました。
マイクシャクはトイレットブレークへ。
錦織はウェアを着替えます。
上空は曇り空で気温も少し下がってきたようです。
絶対落とせない第3セット。
マイクシャクのサービスからゲームがスタート。
第1ゲームは、マイクシャクのダブルフォルトや錦織のリターンエースなどで40‐40に。
マイクシャクのダブルフォルトやミスで錦織がブレークに成功!
第2ゲームは、錦織のサービスポイントやストロークで攻めてラブゲームキープ!
第3ゲームは、マイクシャクのダブルフォルトなどのミスが増え、40‐0と3本のブレークポイントが来て、最後もダブルフォルトで錦織が2度目のブレークに成功!
マイクシャクの手と足が攣っているようで、トレーナーと話をして何かドリンク剤を渡され、それを飲んで試合続行です。
第4ゲームは、錦織のサービスポイントや、ストロークで難なくキープ。
マイクシャクの足もかなり痛そうで歩くこともキツそうです。
第5ゲームは、マイクシャクの連続ミスなどで40‐0と3本のブレークポイントが来て、1本エースを決めるも、錦織が3度目のブレークに成功!
ここでマイクシャクのところにトレーナーが来て治療を受けています。
第6ゲームは、錦織のServing for 3rdset.
錦織のサービスポイントやストロークで攻めて難なくキープ。
第3セットは錦織の6‐0で錦織が取りました。
ここまでの試合時間は2時間6分です。
錦織はここでトイレットブレークを取ります。
マイクシャクのところにまたトレーナーが来て、治療を受けています。
第4セットは
マイクシャクのサービスからゲームがスタート。
第1ゲームは、マイクシャクのダブルフォルトなどのミスで40‐30とブレークポイントが来て、最後もマイクシャクのミスで錦織がブレーク!
第2ゲームは、錦織のダブルフォルトやミス、マイクシャクのリターンエースで30‐40とブレークポイントを与えるも、ミスを誘って40‐40に戻します。
錦織のサービスポイントなどでキープ。
第3ゲームは、錦織のリターンエースやマイクシャクのダブルフォルトなどのミスで40‐0と3本のブレークポイントが来て、一気にラブゲームでブレーク!
第4ゲームは、錦織のミスショットがあるも、サービスポイントやストロークで攻めてキープ。
第5ゲームは、マイクシャクのサービスポイントやウィナー、錦織のミスなどでマイクシャクが難なくキープ。
第6ゲームは、錦織のサービスポイントやウィナーなど、ストロークで攻めて難なくキープ。
第7ゲームは、錦織のリターンエースがあるも、ミスが重なりマイクシャクが難なくキープ。
チェンジエンドの時間で錦織がまたウェアを着替えます。
第8ゲームは、錦織のServing for 4thset.
錦織のサービスポイントやウィナーなどでラブゲームキープ!
第4セットも錦織が6‐2で取りました。
ここまでの試合時間は2時間37分でした。
勝負のファイナルセット。
マイクシャクのサービスからゲームがスタート。
第1ゲームは、錦織のリターンエースやウィナー、ネットボレーなどで40‐15と2本のブレークポイントが来て、一気にブレークに成功!
第2ゲームは、錦織のサービスポイントやマイクシャクのミスなどで難なくキープ。
第3ゲームは、マイクシャクのミスや錦織の連続リターンエースで40‐0と3本のブレーク3本のブレークポイントが来て、一気に2度目のブレークに成功!
ここでマイクシャクが試合を諦め、途中棄権を審判に訴え試合終了です。
これで錦織が初戦を突破し、2回戦進出を決めました。
トータル試合時間は2時間48分でした。
お疲れ様でした。
ファーストサーブはどうだった?
錦織自身も課題として挙げているファーストサーブですが、今回の調子はどうだったのでしょうか?
今日のファーストサーブの確率はトータルで67%でした。
ですが、第3セット以降は、マイクシャクがあのような状態ですので、今日のデータはあまり意味がないかなと。
ただ錦織のファーストサーブの確率が、第3セット以降落ちていることが少し気になりました。
第1セットは77%、第2セットは70%、第3セットは57%、第4セットは60%、ファイナルセットは途中までですが60%。
まぁ相手のあのような状況を見ると、なんとなく気分もノらなくなってしまったのかもしれませんけどね。
錦織の試合後のコメントとは
錦織の試合後のコメントが入ってきました。
「入り方は良かったですが、相手のプレーがすごく良かったです。
自分ももう少しサーブやショットの精度などできたところはありましたが、1セット目も2セット目も相手のプレーが良かったので我慢するしかなかったですね。
思ったよりも彼のディフェンスがとても良かったです。特にバックのクロスやアングル、ダウン・ザ・ラインにすごく良い球が来ていて、想像よりも強かったなという印象があります。
相手が動けなくなってしまったので、自分はひたすら集中力を絶やさずプレーするだけでした。彼は絶好調で予測できなかった。
ケガは残念。
その中で全力で逆転しようとして勝てて良かった。
運が良かった。
崖っぷちで試合に勝ってホッとした。
内容的にはあまり良い試合ではありませんでしたが、2回戦に進めて良かったです。
もうちょっとどのショットも精度が上がっていけばプレーは良くなってくると思います。
自分も悪いわけではなかったのですが、今日は相手がすごく良かったです。
称賛を贈りたいですね」
とのことでした。
今日は、正直マイクシャクが素晴らしかったので、錦織も脱帽でしたね。
それでも結果的に錦織が2回戦に進出できたのですから、運は持っていたということですし、そこは自信を持って良いと思います。
調子は悪くはないと思いますので、この調子で2回戦も頑張って欲しいなと思います。
次戦(2回戦)の対戦相手は?
錦織の次戦(2回戦)は、世界ランク73位のイボ・カルロビッチ(クロアチア)と対戦します。
次戦は中1日空けて、日本時間の1月17日木曜日の予定です。
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コメント
オレンジさん、ご無沙汰しております。遅くなりましたが、今年もよろしくお願いします。
でも、いつもこちらは閲覧させていただいていましたよ!
ブリスベン国際、全豪と、GAORAしか見れない私には、オレンジさんのブログ頼みなのです。
今日は時間が取れましたので、スポーツ紙サイトの速報を更新しながら観戦?しておりました。
2セット獲られても、何とか錦織クンらしいプレーを見せて欲しいと願いを込めて応援していました。
彼は試合後、こんな事も言ってました。
「相手のプレーは3セット5セット続けるのは難しい。」
確かに相手のプレーはゾーンに入っていたのかも知れませんが、錦織はそのスキを突く準備をしていたんだと思います。
私はアクシデントが無くても、錦織は逆転していたと信じています。
今大会の錦織の使命は、ジョコ粉砕だと思います。
もちろん優勝出来ればそれ以上のものはありませんが、天敵であるジョコに勝つ事が彼の残りの選手生命の大きな課題だと思うのです。
今年は楽しみで仕方がありません。
>招き猫さん、こんにちは。
お久しぶりです。
コメントありがとうございます。
今日の試合はちょっと不本意なカタチでの勝利になってしまいましたが、それでも招き猫さんが仰る通り、あのままアクシデントなく進んでいたいたとしても、2セットダウンから恐らく錦織くんなら逆転出来ていたと私も思います。
もちろんタラレバになってしまいますから実際のところはわかりませんが。
それでも、錦織くんを追い詰めたマイクシャクは確かに素晴らしかったと思いますし、逆にあそこまで追い詰められてしまったことは反省しなければいけないポイントだとも思います。
でも今日のような試合は、長いグランドスラムの試合ではありがちですよね。トップ選手達も、みんなこのような試合を経て上位進出しているのですから。
さて、仰る通り、今回の全豪での最大の見せ場はジョコ戦ですよね。
現在対ジョコ戦は14連敗中ですから、そこをどのように攻略していくのか、5セットマッチのグランドスラムでの戦いだからこそ、見応えもあるでしょうし。
とにかくまずはそこまで勝ち上がらなければ、その対戦も実現はしませんので、
準々決勝までなんとか頑張って勝ち上がって欲しいものです。
そして4年半ぶりにジョコに勝つことが出来れば、てっぺんももしかした見えてくるでしょうか。
期待して応援しましょう!